北朝鮮の民衆は、幼い頃から偏った教育を受け、その偏った教育が真実だと思いこんでいます。
日本は思想の自由やそれを発表する自由があるので、真実や事実はわかっているつもりです。
しかし、日本でも真実や事実が覆い隠され、知られていない事があります。その1つのチベット問題について書いてみます。
1959年、中国はチベットの広大な大地にある資源などを目的に侵略しました。名目は「チベット人を
開放するため」という理由でした。たくさんのチベット人(120万人を超える無実の人々)を殺害し、
歴史的に大変貴重な寺院(6000程)を破壊しました。また残虐な処刑や拷問もたくさんしました。
チベットでは僧は一生禁欲の生活をしますが、大衆の前で僧と尼僧が無理やり関係を持たされたり、
監禁して食事を与えず、あまりの飢えで着ている服を食べたり排泄物にいるうじ虫を食べた人、
他にももっと残酷な行為が繰り返されました。
そして残念な事に、今この時点でもその侵略は続いています。
つい最近、中国はチベット開放40周年式典をしました。チベットの僧が中国の偉い人と笑顔で
握手をしていました。しかし、実際のチベット人は隠しカメラで監視されたり、少しでも反中国的な
発言をすると投獄されむごい拷問か処刑をされてしまいます。この間のアメリカ同時多発テロの時も、中国はそれを利用し
チベット人政治活動家にテロリストのレッテルを貼り処刑しました。
チベットは周りの国に助けを求めています。しかし、
日本を始め、国連やその他多くの国の政府は、このチベット問題を見ることを避けています。
なぜかというと、大きな利権が絡んでいるからです。中国は国際貿易に関して大きな市場だからです。
そもそもチベットという国はヒマラヤ山脈の北側に広がり、チベット仏教が生活や政治に密接に関わる国でした。
そしてダライラマがチベット仏教の法王でもあり国の責任者でもあり、全チベット人から厚く信頼され尊敬されている人物でした。世襲の仕方が変わっていて、
もしダライラマが死んだら子孫が引き継ぐわけではありません。なぜなら日本の仏教の僧とは違い、チベットの僧は
結婚はもちろんの事、異性との関係も持たないからです。また、輪廻転生の教えがあるからです。
死んで数ヶ月後に占いや遺言をもとにその当時に生まれた何人かの子供を見つけ出し、さらにテストをすることでダライラマの
生まれ変わりを見つけるのです。今のダライラマは14世になります。しかしここで重大な問題が起こります。
ダライラマ14世は今70歳になりました。ダライラマの生まれ変わりを見つける時、最終的な決定権を持つのが、
ダライラマの次の位のパンチェンラマになります。このパンチェンラマもダライラマと同じく生まれ変わりに
よって選ばれています。どうしても生まれ変わりを見つける仕組みでは、生まれ変わりに選ばれた少年が大人になるまでの間空白期間が
あいてしまします。そのためにこの二人が補完しあう形になっていると思います。
この先ダライラマが亡くなられた時は、パンチェンラマがダライラマの生まれ変わりを見つけ、
大人になるまでの間ダライラマの代わりを務めます。
しかしパンチェンラマ11世が6歳になり、正式に即位した3日後に家族と共に行方不明になりました。チベットは中国が拉致したのではないかと疑いましたが、
中国は知らないと言いました。その後、国連の子供保護の団体が調査し、やはり中国の捕虜になっている事が
わかりました。パンチェンラマが今生きているとしたら13歳です。しかし中国はしっかり教育をしているとし解放は
していません。つまりどういうことかというと、パンチェンラマは中国の思想を教え込まれ、また中国の言いなりに
なってしまう可能性が高いという事です。その事は、次のダライラマを選ぶ時に大きく影響してしまいます。中国人か中国よりのダライラマ15世が誕生し、
チベットの中国からの独立がほぼ不可能になってしまうかもしれないという事です。
現在ダライラマはインドの北部に亡命し、そこでチベット亡命政府を立ち上げています。そして平和的な解決のために
努力をしています。その事はノーベル平和賞を受賞したことにも表われています。しかし現在の中国チベット自治区の都のラサでは、
チベット人より中国人の数の方が上まわってしまいました。そして今でも数多くのチベット人が危険をかえりみず亡命をし、また
残っている人たちのストレスは限界にきていると言われています。
中国はダライラマの事を精神分裂者と呼びます。もちろん国際的に真実を訴えているダライラマの存在が邪魔だからです。先日、日本のあるニュース番組で「精神分裂者と呼ばれているダライラマが〜」
と紹介されていました。中国に配慮した発言であって事実ではありませんが悲しい現実です。
日頃、国連や多くの政府は、口では平和を訴えています。しかし、
激しい戦争が起こりたくさんの人が死に、
まわりの国から注目を浴びる事で、支援をしてその結果独立できる国があるのに、ダライラマの仏教の教えを重んじ非暴力に訴えた独立運動には
まわりの国は支援をしていません。それでも、ダライラマは意味の無い人の殺し合いはせず、話し合いでの解決のため世界中で訴え続けています。この先、少しでもたくさんの人が事実、真実を知り、世論に訴えて、フリーチベットが実現できる事を望みます。
最後にもちろんですが、この中国の行動は一部の人がすることで、旅した時にも感じましたがほとんどの中国人は
親切で慈悲深いです。