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古い物があふれる街でわかった事は、いつもは古い物を捨てる街に住んでいる。

広い公園で小さく身を寄せ合う。通信がぜい弱な国のWiFiスポットは、無言の井戸端会議。

貧しい社会主義の国で、陽気に生きる方法を次々発見する。豊かな国よりシンプルで見つけやすかったり。

軽快でおしゃれなラテン音楽が響いてくる。こっそりのぞくと、楽器を持つのはサングラスをした硬派なおじいちゃん達。

頭上から安っぽいプロペラの音がせまってくる。昔憧れた鳥から眺める世界。憧れはかなり近づいている。

豪華で荘厳な建物に入ると、中は力が抜けるほど質素な造り。そのギャップがこの街の不思議な魅力。

パンケーキ屋じゃないのに朝から晩まで大行列。

現代社会は音楽と踊りを鑑賞するものにかえてしまう。人類の大事な楽しみを1つ無くしかけている。

方向指示器の場所でギアチェンジ。もし運転代わったらすぐ廃車。

気分はデロリアンに乗ってタイムスリップした時代。落雷があるから時計塔には気をつけよ。

スピードが遅くても、上下の振動が激しくても、クーラーがなくても、いつもタクシーは旧型を選んで止める。

長い年月をかけて渋い魅力が刻まれた顔。新型プリウスも何十年か経てば味のある顔になるかな。

革命広場に群衆が集まるのは、偉大な演説を聞くため。と言うより時給をもらえるためかな。

Tシャツの柄が実物の表情を持つ。若くして亡くなる直前に広島にも来たなんて。

細かい指の動き。力強い足先の操作。ミシンという楽器から癒しのリズムを作る。

たとえショーケースに選択肢がなくても、買えるという選択肢で満足だったりするんだな。

貧しさが平等だと、幸せはみんなに等しくやって来る。

こじゃれた店で頼んだ事あったけど、生まれ故郷のモヒートは大衆のお酒。とりあえずモヒート1杯。

キャバレーなんて遠い世界だったけど、少しだけおしゃれして大人の世界をのぞく。
キューバ発祥のマンボ・ルンバ・サルサ・チャチャチャ。。。娯楽がなければ自分たちで作り出す。

貫録の無い旅人は、むせるのをごまかしながら精いっぱい背伸びする。

もしテレビの映りが悪かったら、上を強く叩けば直るよ。

小学生の頃読んだ1冊の小説。唯一覚えていたタイトル"老人と海"がここへと導く。

誰もいない街はずれの城壁で、急に世界の広さを実感する。
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