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世界一巨大な迷路の街で、世界一夢中の街歩き。

ベールをかぶった門の向こう側。1杯のミントティーを飲みながら人々の生活を深読みする。

脳みそフニャフニャにしてから異文化にどっぷり潜入。

路地をまっすぐ歩いているだけで他人の家に入りこんでいる。忍び足で後ずさり。

右見て左見て、エキゾチックなお店が両側から興味を引いてくる。

暑いジメジメの国からやってくると、暑いのにサラサラで汗が1滴も出ないのは事件。

異教徒だから一生入れない部屋で、すき間から豪華絢爛。

すれ違いざまにニコッ。距離が近いと多くなる。

車が通れない。それだけで世の中ずいぶん平和。

ただの水飲み場を本気で装飾する。心まで潤すテクニック。

城壁にあいた無数の穴は鳥たちの集合住宅。

モスク発見。そろそろ引き返すための目的地。

観光客が来ない場所に日常。

新鮮な食材のためにニワトリはその場でさばく。もっともすぎてひと呼吸。

この街で唯一規律を保っているのは白いアンテナ。

同時刻、あちこちのモスクからハーモニーしないアザーン湧き上がる。

お酒は飲めない国だけど、紅茶で楽しい時間に酔える。っていうのも悪くない。

電気を消しても、カーテンの隙間からにじみ出る。

昼の喧騒を閉じ込めた路地に響きわたるのは足音。
街中から流れ出すアザーン。
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