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南国の海からやってくる風は、70万人が住む首都をよりのんびりさせる。
寺の入口で出迎えてくれる雑魚寝のブッタ。敷居が低すぎて親しみわいてきた。
どんどん積み上がる人間の欲。それでも寛容に微笑み続けてくれる。
暑さをまだ残す夕方に、壁のない本堂に流れるのは安らぎ。
日が沈み、見えなくなるものもあれば、見えてくるものもある。
首都の中心は今のところ緑が優勢。
この国を代表する高層ビルを前に、スカイツリーやドバイのせいで感動が生まれない。
どっから眺めてもレゴ感が抜けないよ。
リキシャの車窓に流れるのはリキシャが似合わない街並み。
旅行者なんていない下町は、ちょっとドキドキできる場所。
雨の日の記憶はきっと流れやすい。
銀行強盗を防いでいるかも、格子状の外壁。
大きなバス停で荷物をかかえて右往左往。仲間を見つけたとたんバス探しが楽しくなってくる。
ホテルの窓から海を発見した時の興奮。きっとDNAが原始の記憶を呼び起こす。
街のランドマークとなる塔を建設中。次来た時は昔を知っていると自慢する。
同じ仏教でも違うことが多すぎて、でも幸せを祈るのはやっぱり同じ。
瞑想は心も体も空にする。
変わった石像やクラシックカーまで置かれたおもしろ寺院。教えを広める役割はとりあえず果たしている。
残されたライトアップにはさびしさ。
うれしいようなうれしくないような、遠い異国で見つける故郷かな。
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