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観光客を受け入れてこなかった国で、開放されたばかりの遺跡には遺跡らしさ。

脳をぼんやりとさせる摂氏40度、簡単に過去を歩いている気分にさせる。

少しだけ残る世界遺産らしさ。あとの残りはテーマパーク。

湿気の国で育ったせいで、砂漠の国の日陰の涼しさは魔法。

もぬけの殻の家々をのぞいているうちに心も空っぽ。

オアシスの先にあるのは、巨大で個性的なコンクリートの楽園。

重く閉ざされた扉を開けると、冷房のガンガン効いた天国トイレ。

砂漠の街で回転するのは、やっぱりラクダ。

暑い昼は廃墟を装っておいて、涼しい夜は豪華絢爛なレストラン。

目に入る人すべてがアラブの富豪だと、自分までセレブ気分。

ライトアップは、わずかに歴史を軽くする。

明るく照らせば照らすほど現代らしさ。

来る前のイメージは閉鎖的な国。来た後はおしゃれでアイディアを生む国。

展望階から個性的な街並みを眺めていたビルの形も個性的。

戦争の舞台となった城、今は冷房を完備して外の暑さから守ってくれる。

観光を解禁したばかりの国で、ガイドブックもネット情報もまだない街歩き。面白さを見つけられるかは運しだい。

砂漠に造られた街のまっすぐになりがちな道。

全身白服を着るのは男性、全身黒服を着るのは女性、それ以外は外国人。

砂漠は乾燥していて汗が出ないし水も貴重。お風呂かお香か、発展の運命は気候次第。

完全な車社会の道の脇で歩くという行為をしていると、原始人の気分になれる。

街のまわりは砂漠。つまり発展は無限。
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