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山を越えると、眼下に見た事もない景色。"青きゴアテックスをまといて金色の野に降り立つ"。
夏でも平均気温10度を下回るツンドラ気候。9月末は昼でも寒い、はずだけど、ずっと忘れっぱなし。
動く雲の影、耳元で鳴り続ける音。ここをつかさどるのは風。
いい景色は簡単にいい写真。
どっちも巧み。馬を思いのまま操る技。キーボードを見ないで打てる技。
無関心を装いながらパーソナルの陣地を探る。
どこまでも透き通る。汚れる理由は見当たらない。
臆病一時休止、絶景のランチタイム。
馬の群れが水を飲みにやってくる。飲み終わるとまた群れで帰っていく。そういえば人がいない。
のびのび育つよね、そりゃ都会暮らしより。
馬の全力疾走、人が上にいないから見慣れない。
生きる力でもあり、死へ導く力でもある。ここでは自然の力を意識する。
シンプルな世界でも退屈しない。
煙突から煙が昇る。しだいに寒さが増してくる。いつもより夜の始まりを意識する。
暗くなるのはまだ早い!と思った瞬間、遠い子供時代の記憶がよみがえる。
光を放つ家は全くなくても、光を放つ恒星は怖いほど。
外は寒いけど、ユルタの中も、寒い。。。壊れかけの暖炉はフル稼働。
ロウソクの灯りが心の壁溶かす。片言でつながる温かい時間。
薄くて重い布団が3枚あっても寒い夜。玄関の布をめくると、あっという間に暗闇を過去にする朝。
煙突のすき間から煙もれてるよ!死なずにすんだけど、全身、全荷物、奥の奥まで臭いをまとう。
家の庭にユルタを建てたいな〜。まずは広い庭つきの家に住みたいな〜。夢が2つ増えた。
懐中電灯の光を奪う極寒の闇。夜中のトイレは、遭難しないように何かに遭遇しないようにサバイバル。
テレビやネットが発達した時代。大丈夫、想像もできない絶景はまだ残っている。
車窓を後ろに受け流しながら、どんどん膨らむ過ぎた時間。
何にも無いけど、何度もクルッとしたくなる。
ご飯の邪魔してごめんね。
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