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レーの後ろにそびえる山の向こう。ヌブラ渓谷へ向けて街を出発。
5分後の道も、15分後、30分後の道も視界に入っている。クネクネの山道登る。
人間は道を造り、自然は道壊す。
目的地は1か所。見どころはそこら中。
暖まる前の車内、朝の澄んだ時間。
2時間移動してレーの街がまだ見える。ずいぶん上から目線になったけど。
峠に到着。看板に標高5602m、世界一高い自動車道とある。本当は5359mだし世界一でもないしインドらしい。 (カルドゥン・ラ)
10歩進むと息ハーハー。存在感なかった空気の存在確認。
未知の場所まだまだ残る。雪男がいる可能性もまだまだ残る。
天井にタッチダウン。車内は経験したことのない乗り心地。
グラデーションを忘れた今日の空。
雪の壁にできた大量つらら、滴る水が清らかなリズム奏でる道。
ローカルバス、マウンテンバイク、金色のド派手に輝くSUV。すれ違うたびに混乱する、ここはヒマラヤ最深部。
山のすき間からまた山。
もし便利な生活を知ると、ここは不便な生活に変わる。知らなきゃ徳。
2000メートルの標高差を登って降りる。座っているだけでグッタリ疲れ果て。
快適なドライブはアスファルトしだい。
小さな食堂で頼むのは麺料理トゥクパ。それしか食べないのはメニューを見てもわからないから。
洪水か地滑りか、もしくは大きな地震。わかっていても離れられないのが故郷。
突然景色がひらけ、2つの川が合流する大地。ヌブラあらわる。
ヌブラを見わたす場所に寺院。ここでの修業はたぶん悟りが近い。 (デスキットゴンパ)
絶景を見るために、まず息切らす修行。
静かな寺院をより静かに変える。
何一つ手に入れていない。だけど心も体も究極の幸せで満たされる。
ダライラマの法話をテープで流し、特等席の地べたに座る。なんかいい修行。
下に広がるのは白い砂漠。上に広がるのは青い空。
気温は涼しい。小川はすぐそこに。蜃気楼は必要なし。
砂丘で遊ぶのは旅人と牛。
たくらみに乗せられ、コブの間でキャラバン気分。
たくらみに乗せられ、エンジン全開で雄たけびあげる。
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