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ダライ・ラマも属するチベット仏教ゲルク派の総本山。山頂は巡礼者たちの静かな熱気に包まれる。
近づく夜明け。はためく音は重さを増して現実味をおびてくる。
めったに早起きなんてしない。日の出はいつでも特別な瞬間。
温もりと高揚感まであと少し。
祈りをのせた煙は、青いキャンバスで風の姿を描く。
通じる言葉がなくても大丈夫。
雑音がない世界。響きわたる自分の足音。
まぶしすぎる屋外から暗い内部に足を踏み入れる。ゆっくり目の前に現われるブッダ。
雑念が生まれないのが修行の場。
形はあるけど中身は空っぽ。砂で作られたマンダラは一息でただの砂。
それぞれの板にはお経が彫ってある。体を鍛えるのと同じ、ここは心を鍛えるジム。
豪華絢爛な世界と、おどろおどろしい世界が同居する。
中国の侵攻で徹底的に破壊される。今は静かに修復中。
巡礼客にうながされ一緒に五体投地。うれしそうな笑顔にこっちも満たされる。
ひとつ見っけ。お寺は幸せ探しの場所。
都会で過ごす人生。タクツェで過ごす人生。どっちもいいな。
絶景さえあれば、何にもなくても素敵な町。
いつも寺院の前で気づく、空の青さ。
大きな幸せを1つ狙うより、わずかな幸せをたんさん手にする方がお得かな。
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