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材料は必要なし。鋼の忍耐は必要あり。岩山を掘って作った壮大な遺跡群。

千年以上前の修行の場。まずは修行の場を造るための修行。

掘って彫る。ヤバいって何度冷や汗流したかな。

今じゃ再現できない遺跡って考えれば考えるほどミステリアス。

誰もいない石窟の奥で仏像たちと対面する。心は平穏、じゃなくてザワついた。

音が何重にも反響する部屋で、自分の声すらとろける美声。

本能が渦巻くインド。修行に必要なのは、何も起こらないという場所。

遠くに見えた瞬間から夢中。岩山が城。 (ダウラターバード)

難攻不落と住みにくさ。城への急坂を上りながらどっちも実感できる。

昔は選ばれた人しか見れなかった景色。今はいい時代。

頂上には大砲。それより珍しい日本人は、写真撮影の的になる。

栄枯盛衰。王様がいた場所に、壁いっぱいの落書きと鳥たちの臭い。

高さ180メートル。タワマンも要塞も、町をのぞき見できるいい高さ。

この時の天気や時間、音や匂い、そして気分。1つでも違ったら、好きな場所にはならなかった。

村の食堂で帰りのバスを待つ。高ぶった一日を振り返る時刻表のない時間。
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